株式会社UPBEARは、無人で運営する洋服店「RELOOP STORE」を展開している。人件費を抑えることで、商品価格を低く設定し、顧客に「自分のペースで選べる」という新しい購買体験を提供している。アパレルや美容、飲食、婚活サービスなど複数の店舗事業を展開する中で、特に無人洋服店事業に注力しており、人手不足やコスト高騰といった社会課題に対応しつつ、新たな店舗モデルとしての存在感を高めている。フランチャイズ展開を開始してから約半年で30件の契約を獲得し、2027年には業界トップクラスの店舗数を目指し、2030年には全国200店舗の展開を計画している。
接客をなくすことで生まれた新しい価値
一般的なアパレル店舗では接客が重要視されているが、「自分のペースで見たい」「話しかけられるのが苦手」と感じる顧客も存在する。UPBEARの無人洋服店は、こうしたニーズに応える形で設立された。店員が不在であることで、来店のハードルが下がり、気軽に立ち寄れる空間が実現されている。実際、有人店舗よりも来店数が多くなるケースもあり、接客を行わないことが新たな価値を生む購買スタイルとして認識されている。

人件費を抑えることで実現する価格と安定性
無人店舗「RELOOP STORE」の特徴は、人件費がかからない点である。このため、商品価格にその分を反映させることができ、同等の品質の商品でも手に取りやすい価格で提供可能である。価格帯は1,100円から22,000円まで幅広く、一般的な無人古着店よりも高単価の商品を取り扱うことが特徴であり、有人店舗と比較して3割ほど安い価格で提供される場合もある。また、固定費の多くは家賃のみであるため、売上の変動に影響されにくく、安定した運営が可能な仕組みとなっている。人手不足が続く中で、採用に依存しない店舗運営モデルとして注目されている。



半年で30契約、広がるフランチャイズ展開

同社は無人洋服店「RELOOP STORE」のフランチャイズ募集を開始してから、約半年で30件の契約を獲得している。事業としての始めやすさが背景にある。
初期費用が低く、月額リスクも低いことから、1日10分の簡単な業務で運営が可能であり、スタッフ採用が不要であるため、未経験者でも簡単に運営できるモデルとなっている。現在は直営店舗5店舗に加え、フランチャイズ店舗も拡大中であり、2027年には業界トップクラスの店舗数、2030年には全国200店舗の展開を目指している。
業界課題から生まれたビジネスの原点
株式会社UPBEARのRELOOP STOREは、アパレル業界が抱える構造的な課題から生まれた取り組みである。代表の中谷氏は、新卒から長年アパレル業界で販売員としての経験を積んできたが、収入面やキャリアの選択肢に限界を感じることが多かったと述べている。経験を重ねても次のステップが見えにくいという業界特有の課題に直面したことが、起業を考えるきっかけとなった。初めは有人店舗として事業をスタートしたが、スタッフからの「古着屋をやりたい」という声を受けて無人店舗の選択肢が生まれた。無人店舗の出店後、想定外に来店数が多い結果が得られ、接客を通じて価値を届けるという考えが根強い中での判断は容易ではなかったが、無人店舗が新たな価値を生むことを確信するに至った。現在では、この経験を基に従来のアパレルの在り方にとらわれない店舗モデルとして「RELOOP STORE」を展開している。
今後の展望
株式会社UPBEARは、RELOOP STOREのさらなる拡大を通じてアパレル業界における新たな選択肢の確立を目指している。2027年には業界トップクラスの店舗数、2030年には全国200店舗の展開を目標としており、より多くの地域で新しい購買スタイルを提供する方針である。無人店舗モデルによって、誰でも気軽に立ち寄り、自分のペースで商品を選べる環境が広がることで、従来のアパレル店舗とは異なる価値が浸透することが期待される。また、古着の再流通を促進することで衣類廃棄の削減にもつながり、環境負荷の軽減という側面でも社会的な意義を持つ取り組みである。UPBEARが掲げる「服を売るのではなく、ファッションを届ける」という考えのもと、価格、体験、持続可能性のバランスを取りながら、今後のアパレルのあり方を提案していく。無人洋服店モデルが今後どのように広がっていくのか、UPBEARの取り組みはアパレル業界の新たなスタンダードをつくる一歩として注目される。

